シュウ酸(オキサレイト)について
- mykensa
- 2017年8月2日
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シュウ酸(オキサレイト)とは
シュウ酸(オキサレイト)とは、食物、カンジダや真菌(アスペルギルス、ペニシリウムなど)、人の代謝の、3つの源から主に由来する有機酸です。シュウ酸は、体液中の最も酸性の有機酸であり、市場では自動車のラジエータから錆を除去するために使用されています。また、不凍液として使用されているエチレングリコールは、体内でシュウ酸に変換されるため、毒性があります。
私たちの有機酸検査は、尿に含まれるシュウ酸塩のレベルを評価することができる、唯一の有機酸検査です。高シュウ酸尿症1型と高シュウ酸尿症2型は、尿に含まれるシュウ酸が高濃度であるという特徴を持つ遺伝的病気ですが、有機酸検査を受けることで明らかにすることができます。
シュウ酸(オキサレイト)の多い食品
シュウ酸の多い食品をご紹介します。
ほうれん草
ストロベリー
チェリー
チーズ
ビート
チョコレート
ピーナッツ
小麦ふすま
紅茶(ブラックティー)
カシューナッツ
アーモンド
ベリーなど
一般的に健康だと言われている食品にも、シュウ酸の多い食品である場合がありますので、注意が必要です。シュウ酸の多い食品は、高ヒスタミンの問題(低ヒスタミンダイエットをご参考下さい)にも関係があります。私たちは体の洗浄や健康のためにグリーンスムージーが良いとよく聞きますが、グリーンスムージーには高シュウ酸の食品が多いので、健康になるつもりが実際には体に害を与えている可能性もあります。1日の成人のシュウ酸摂取量は、通常80〜120 mgですが、例えば;ほうれん草2カップ使用したグリーンスムージーには、約1500mgものシュウ酸が含まれていることになります。
シュウ酸(オキサレイト)の危険性
シュウ酸カルシウムは、骨、関節、血管、肺、甲状腺、脳にも形成されるため、それぞれの機能を妨げる可能性がある。
腎臓結石、線維筋痛症、外陰痛に影響。
骨に含まれるシュウ酸は、骨髄細胞を混乱させる可能性があり、貧血や免疫抑制を引き起こします。
痛み、損傷、炎症を増加させる可能性。
酸化的損傷を引き起こし、赤血球形成に必要な鉄を減少させる可能性。
シュウ酸は、キレート剤としても機能しますが、他のキレート剤とは異なり、組織中の重金属をとじこめ、金属毒性をもたらす。
クエン酸回路(エネルギー生産のための回路)のグルコース代謝を妨害し、健康に必要な必須ミネラルの吸収を阻害する可能性がある。
腎臓結石 l シュウ酸
多くの腎臓結石は、シュウ酸カルシウム(結晶)でできているため、尿中のシュウ酸レベルが高い方は、腎臓結石を患う傾向にあります。結石の大きさは、米粒からゴルフボールサイズで、男性の約10%が腎臓結石を患っていると推定されています。多くの腎臓結石にはカルシウムが含まれているため、カルシウムを避けるべきだと思う方もいらっしゃいますが、それは全く反対です。シュウ酸が多い食品と共にカルシウムを摂取することで、腸内のシュウ酸がカルシウムと結合し、体に吸収されず排泄されます。逆に、カルシウムが少ない場合は、シュウ酸は腸から血流に吸収されてしまいます。血液中のシュウ酸が非常に高い場合は、カルシウムと結合してシュウ酸カルシウムを形成し、尿の流れを妨げ、重度の痛みを引き起こすこともあります。
自閉症 l シュウ酸
研究によると、自閉症児の84%はシュウ酸値が正常範囲外(平均±2sd)であり、非自閉症児と比べて、尿中のシュウ酸がはるかに高いことが示されています。また、自閉症児において、シュウ酸代謝の遺伝病に関する他の有機酸の上昇は見られなかったため、シュウ酸は外部からの原因によって高くなることも示しています。
自閉症児は、ビタミンCのサプリメントを服用していないにも関わらず、ビタミンCレベルが高い特徴があります。これは、真菌がビタミンCを産生しているためだと考えられます。そして、自閉症児におけるシュウ酸の上昇の主な原因は、腸内の酵母や真菌の過剰増殖である可能性が高いことが示されています。また、自閉症の重要な要因として、脳や血管などの重要組織におけるシュウ酸の沈着、シュウ酸によって引き起こされる酸化的損傷、シュウ酸と水銀の複合体の沈着が考えられます。
自閉症児や他の障害児の治療として、シュウ酸が少ない食品を食す食事療法(低シュウ酸ダダイエット)が世界的に行われています。研究者スーザンオーウェンスによると、低シュウ酸ダイエットによって、自閉症と広汎性発達障害の症状が著しく改善、例えば集中力の増加、穏やかになった、歩行の向上、足の痛みが減少したなどと、報告されています。
シュウ酸 l 治療法
低シュウ酸ダイエット
低シュウ酸ダイエットは、シュウ酸を多く含む食品や、カルシウムやビタミンCの摂取を避ける食事方法です。低シュウ酸ダイエットは、長期間ガンジタを患っている方、組織にシュウ酸が蓄積している方、炎症、自己免疫問題、ミネラル欠乏症、自閉症の方に特に重要です。
抗真菌薬
酵母や真菌を減らします。自閉症の子供たちは、この抗真菌治療が何年も必要な 場合もあります。
カルシウムとクエン酸マグネシウムのサプリメント
腸からのシュウ酸の吸収を減少させます。
N-アセチルグルコサミンのサプリメント
細胞間セメント(タンパク質)であるヒアルロン酸の産生を刺激し、シュウ酸に
よる痛みを軽減します。
カルシウムシタレート
コンドロイチン硫酸
シュウ酸カルシウムの生成を防ぐことができます。
ビタミンB6
体内のシュウ酸を分解する酵素の補因子であるビタミンB6によって、シュウ酸の生成を減少させます。
タウリン
胆汁酸塩の欠乏により脂肪酸が吸収されにくい場合、食事からの過剰な脂肪がシュウ酸を上昇させることがあります。タウリンを補給することで、胆汁酸塩の生成(タウロコール酸)や脂肪酸吸収を促進させ、シュウ酸の吸収を減少させます。
プロバイオティクス
腸内のシュウ酸を分解するのに非常に役立ちます。ラクトバチルス・アシドフィルスとビフィドバクテリウム・ラクチスは、シュウ酸を分解する酵素を持っています。
オメガ3脂肪酸
魚などに含まれるオメガ3脂肪酸の摂取量を増やすことで、シュウ酸による問題を減少させます。反対に、動物の肉に含まれるオメガ6脂肪酸であるアラキドン酸は、シュウ酸による問題を増加させます。
ビタミンE、セレン、アルギニンのサプリメント
シュウ酸塩のダメージを減少させます。
たくさん水を飲む
水の摂取量を増やすことで、シュウ酸が排除されます。
シュウ酸検査 l 有機酸検査
シュウ酸を検査する最も便利な方法は、有機酸検査です。有機酸検査によって下記の事を明らかにすることができます。
シュウ酸(シュウ酸塩)
アラビノース:カンジダに重要な指標。
グリコリック酸(グリコレート):高シュウ酸尿症1型の指標。
グリセリン酸(グリセラート):高シュウ酸尿症1型の指標。
アスコルビン酸(ビタミンC)
ピリドキシン酸(ビタミンB6)
フランカルボン酸、ヒドロキシ-メチルフル酸:シュウ酸の要因であるアスペルギルス症や真菌のマーカー。
細菌マーカー:細菌マーカーが高い場合は、シュウ酸を破壊してくれる乳酸菌などの善玉菌が低い。
*当チームのチームリーダーは、約10年に渡り日本の医師や栄養療法士にアドバイス、ご指導させていただいております。何でもご相談、ご質問下さい!
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